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桜桃

さくらんぼが並ぶ頃になった
みずみずしく光って
きれいに粒を揃えて売っている
果物としては高いほうなので
あまり買ったことはない

「ねえ、どうする?」
店先で迷っている若い夫婦
夫のほうは乗り気ではない
「さくらんぼなんておいしくないよ」
妻のほうは未練を残しながら
そこから離れる
さくらんぼのような紅い口をすこし尖らせて

さくらんぼの種を次々吐き出しながら
「子どもより親が大事」とうそぶいた
無頼の作家のことを知っているだろうか

子どものまなざし

皇太子妃だった若き美智子皇后が、浩宮を生んだ時、この世をまだ見ない子どもの目に見つめられて恥じらう母の心を詠んだ歌があった。

いとけない幼子のまなざしは、いつの時代にも、またどんな世界にあっても、人の心を打つところがある。

松本清張の短編にも、子どものまなざしを重要なテーマに据えた作品がある。

日ごろ、あまり子どもは好きでなく、「この小悪魔」なんて感じを持つこともある私だが、ひとたび、子ども故に、不幸を背負ってしまった環境に置かれた子どもには、味方になってやりたい。

戦争や、大人の欲望の犠牲になっていたぶられる子どもの話は、一番心が痛む。

子どもの澄んだまなざし。
それがくもることのない社会でありたい。